-logue 仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアム

interview

いいものをほんの少しだけ造る

佐藤曜平(醸造家/萩野酒造)

-logue インタビューの様子

prologue

取材日は、強風で次々と列車が運休になるというアクシデントが発生。スタッフは1時間遅れの列車に乗り込み、北の県境にある萩野酒造へと向かった。時おり小雪がちらつき、春の訪れを待つ田んぼが視界の果てまで続く田園地帯を眺めながら、酒とは何かについて思いを巡らす旅となった。

酒は有史以前より人間の文化と密接に関わってきた特別な嗜好品の一つであり、神と人、人と人を結びつける重要な舞台装置としても機能してきた。四大文明、古代ギリシャ、ローマなどは言うに及ばず、日本でも『古事記』にすでに酒製造と酒宴に関する記述が見られる。また、日本酒は、ワインやビールなど原料素材に「糖」が含まれている酒と異なり、原料の粳米が「糖」を含まないため、米麹を加えた糖化と酵母を用いた発酵を同時進行させる世界でも類を見ない複雑な工程を持ち、微生物の制御が必要になる高度な醸造法である。それにしても、日本酒の消費量は低下を続けているという...。

次世代の蔵元として危機感を持ちながらも、個性的な日本酒を醸し続ける佐藤氏に話を聞いた。

佐藤曜平(醸造家)

1979年宮城県金成町(現・栗原市)生まれ、28歳。萩野酒造株式会社専務取締役。170年の歴史を持つ酒蔵の次期蔵元として、少量高品質・高付加価値・常に進化し続ける酒造りを目指す。高齢化・後継者不足が問題となっている杜氏制度への依存度を酒造への科学的アプローチによって緩和する試みを続けている。「いいものをほんの少しだけ造る」というコンセプトのもと、地元の蔵人と蔵元自らが、小さい蔵であるメリットを活かして個性を追求した酒造りに取り組む。そのため、生産量の多くを純米酒を中心とした特定名称酒[註: 3等米以上の白米を用い、白米の重量に対する米麹の使用割合が15%以上の清酒。吟醸酒、純米酒、本醸造酒]が占めているのが特徴。

萩野酒造株式会社

天保年間(1840頃)創業。現在の生産量は約400石。酒米は、自作田と近隣農家で契約栽培している美山錦、ひとめぼれ、ササニシキや宮城県産蔵の華、岡山県産雄町、兵庫や徳島の山田錦も用い、水は、自社所有地に湧出する栗駒山水源の自然水(軟水)を使用している。銘柄は「萩の鶴」「日輪田」を展開。

contact:
宮城県栗原市金成有壁新町52
Tel:0228-44-2214

(08/03/03 公開)

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